廃プラスチック類とは?処理方法や処理費用について詳しく解説致します
廃プラスチック類とは

私たちの生活に身近でさまざまな用途のあるプラスチック製品ですが、こうしたプラスチックを製造する過程で生じるプラスチックの破片や、不要になって廃棄処分されるプラスチック製品を産業廃棄物用語では「廃プラスチック類」といいます。
廃プラスチック類の抱える問題点

廃プラスチックは、環境問題への影響等もあり、他の産業廃棄物に比べても大きな課題を抱えています。ここでは、代表的な廃プラスチック類の抱える問題点を紹介します。まず、輸出処理の問題です。廃プラスチックに対する処理方法として、日本では長年海外への輸出を行っていました。主な輸出先が中国だったのですが、2017年末に中国が廃プラスチックの輸入を禁止しました。その後、中国の代わりとして台湾や東南アジアへ輸出を行っていましたが、これらの国々も次々に輸入規制を導入しました。輸出という大きな処理方法を失ったことにより、日本国内で処理をしなければならない廃プラスチックが増加しており、これが大きな課題となっています。次に海洋汚染です。ポイ捨てされたり適切な処分がされないまま海に流されたりした廃プラスチックは、海洋プラスチックと呼ばれるようになり、海洋汚染や生態系に悪影響を及ぼしてしまいます。海に流出するプラスチックごみの量は、世界中で年間約800万トンというデータが出ていたり、2050年には海洋プラスチックごみの重量が海に住む魚の重量を超えると予測されていたりと、非常に大きな問題として世界規模の課題となっています。最後にバーゼル法ですが、バーゼル条約に対応する国内法で、正式名称を「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律」と言います。バーゼル条約及びバーゼル法は、輸出入された廃棄物による健康や環境への脅威を防ぐために作られたもので、廃電子基板や使用済鉛蓄電池といった有害廃棄物を輸出入する際のルールについて定められているものです。この条約及び法律は、世界の情勢に合わせて都度改正をされてきましたが、2021年の法改正によりリサイクルに適さない汚れた廃プラスチックの輸出入が新たに規制対象に追加されました。以前は、廃プラスチック(PVCを除き)は規制対象外でしたが、法改正後は基準に合わない廃プラスチックは「規制対象」となりました。そのため廃プラスチック輸出国は輸入国や通過国に対して事前通告を行い、同意回答を得て輸出することとなりました。この法改正により、廃プラスチックを輸出して処理することがますます困難になり、今まで以上に廃プラスチックの国内での適正なリサイクルが求められます。ちなみに、バーゼル条約及びバーゼル法で定めているのは、あくまでもリサイクルに適さない汚れた廃プラスチックのため、一定の条件を満たした廃プラスチックであれば、規制の対象にならずに輸出入することが可能です。
廃プラスチック類の処分方法

廃プラスチック類の処理方法には、大きく3種類があります。なお、それ以外の方法となると焼却または埋め立て処理となります。3種類のリサイクル方法はそれぞれマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルとなります。まず、マテリアルリサイクルとは廃プラスチック類の材質を活かして、他の製品や別のプラスチック材料として活用する方法です。例えば衣類や包装用トレイ、コンテナやベンチ等を作る材料として、廃プラスチック類が活用されています。次にケミカルリサイクルとは、廃プラスチックを化学的に処理し化学原料として再生する方法です。高炉の還元剤や熱源として利用されたり、ガス化処理をして水素やメタノール等の基礎化学品を作ったり、様々な方法で活用されています。最後にサーマルリサイクルとは、廃プラスチック類の熱エネルギーとしての性質に注目し、熱源として利用する方法です。廃プラスチック類を燃焼させることによって発電や温水利用に活用したり、固形燃料化にしたり等、数多くの活用手段があります。このように、廃プラスチックの再利用法は多岐にわたります。今後さらに廃プラスチックの適正な処理と再資源化が進んでいくと思われます。
廃プラスチック類に関してのまとめ

廃プラスチックは、産業廃棄物として処分する場合、焼却や埋め立て以外にも3つのリサイクル方法があり、それぞれ原料や燃料といった形で再利用することが可能です。また、プラスチックが使用された廃棄物は幅広く使用されており、種類も多く存在します。処理費用は、おおよそ5,500円/㎥~、25円/Kg~が相場となりますが、処理方法や廃棄物の種類等によって費用は変動します。廃棄物ごとに分別して処理に出した方が費用をより抑えることが可能です。