廃酸とは?処理方法や処理費用について詳しく解説致します

廃酸とは

廃酸とは、産業廃棄物の一種であり、廃硫酸等の液状の酸性廃液です。なお、廃酸を中和処理した場合に発生した沈殿物は汚泥として取り扱い、廃酸と異なる方法で処分します。また、廃棄物処理法の運用を定めた施行通知においても「廃硫酸、廃塩酸、各種の有機廃酸類をはじめ酸性の廃液のすべてを含むものであること。」と記載があるものの、腐食性のph2.0以下のもの等は特別管理産業廃棄物に該当します。特別管理産業廃棄物は、名前の通り普通産業廃棄物より危険な廃棄物です。このように厳重な管理方法・処理に関する許可が法律で定められているため、取り扱い方法等が通常の産業廃棄物とは異なるため、注意しましょう。

廃酸の種類

廃酸の種類はさまざまで、硫酸、塩酸、硝酸等の無機廃酸・ギ酸、酢酸、シュウ酸等の有機廃酸・アルコール発酵廃液・アミノ酸発酵廃液漂白浸漬工程や染色工程で排出される染色廃液・エッチング廃液・クロメート廃液・写真漂白廃液・炭酸飲料・ビール等が挙げられます。また、廃酸の中でも著しい腐食性を有するpH2.0以下のものは特別管理産業廃棄物として扱い、通常の処理とは異なる方法で処理しなければなりません。さらに、重金属等、PCB、有機塩素化合物等、農薬等、1,4-ジオキサン、ダイオキシン類を一定濃度以上含むものは特定有害産業廃棄物に該当し、取り扱いに関するさらに厳しい規則が定められています。廃酸はおもに化学工業や鉄鋼業、電気機械工業、タバコ製造業、科学技術研究所等で排出されます。

廃酸の処分方法

廃酸の処分方法としては主に焼却、中和処理、再資源化の3つがあります。 焼却は、廃酸の一般的な処分方法です。 この際、廃酸を液体状のまま焼却炉に入れてしまうと燃焼の妨げになってしまう可能性があるため、霧状に噴霧する形で焼却炉に投入し焼却処理します。 中和処理とは、酸性の廃酸を中性に近づける処理です。廃酸の場合は、廃アルカリを使用することによって中和処理を行います。 しかし、中和処理の過程で廃液に含まれていた不純物が汚泥として発生したり、有毒ガスが発生したりする場合もあるため、必ず正しい知識や技術、設備のもとで中和処理を行う必要があります。 再資源化は、廃アルカリの中和剤として使用したり、廃酸を冷却して不純物を取り除いて再度利用可能にしたり、もし金属成分が含まれたものであれば沈殿物から金属を回収等して、再資源化されます。

廃酸に関してのまとめ

処理費用は種類や地域によってさまざまですが、一般的な目安としては、おおよそ 30〜100円/kg が相場となります。廃酸はプラスチックドラムやプラスチック容器に入れて持ち込まれます。また、委託する処理先の処理方法やフローをしっかり確認した上で適切かどうかを最終的に判断しなければなりません。