金属くずとは?処理方法や処理費用について詳しく解説致します

金属くずとは

金属くずとは、金属製のごみの総称です。廃棄物処理法において金属くずは、「ハンダかす・鉄鋼・非鉄金属の研磨くず・切削くず等」と定義されています。鉄・非鉄の中で「金属」と呼ばれるものは全て該当し、複合素材でも金属が構成素材の最大値を占める場合は、金属くずとして扱われます。スクラップや銅線くず・ダライ粉(きり粉)・ハサミ・包丁・スチール缶やアルミ缶等が具体的な例です。

金属くずの種類

金属くずの種類は鉄で構成された鉄くず(鉄スクラップ)が主となっています。アルミ・ステンレス・レアメタル・金・銀・銅・真鍮等をはじめとする非鉄も、金属くずの対象です。また、鉄くずの分類方法は主に2つあります。発生源ごとに分ける場合、鉄鋼メーカーにおいて製鋼や製品加工を通じて生じるものを自家発生スクラップ、製品として市場に出回った後に生じるものを市中スクラップと呼びます。またその中でも、市中スクラップは製鋼を使って機械や車を作る時に生じる工場発生スクラップと、建築物や車両の解体・使用後の鉄製品から生じる老廃スクラップに細分化されます。さらに、鉄くずは鉄の種類ごとにも分類が可能で、上銑くず・並銑くず・可鍛鋳・鉄銑くずは「銑くず」、炭素鋼くず・低銅炭素くず・低りん・低硫・低銅炭素鋼くず・合金鋼くず・雑用鋼くずは「鋼くず」と呼ばれます。次は金属くずが頻繁に生じる場面をご紹介致します。まずは工場で、生産する品目によって差が存在するものの、工場は金属くずが頻繁に排出される場所です。工場で使った機械や手動工具、鉄板を加工する時に生じる新断スクラップ、切削により生じるカット粉やパーマくず等がその例です。また、ドラム缶をはじめとする液体等を保存する容器系のスクラップは、残液がないことを確認し、内部が見える状態にしておくことが求められます。次に小売店ですが、小売店においても店内の模様替えや移転・閉店の際は、商品陳列棚に用いられているネジやナット・ボルト等を含む金属くずが生じる場合が考えられます。そして建物の解体現場や建設現場も金属くずの排出が多い場面です。建物の建築工事で生じる金属くずは、総称して建築系スクラップと呼びます。建設機械や手動工具、解体工事で生じる鉄筋、トタンやアルミサッシ等が一例です。また、建物の付帯設備や道路の側溝の蓋に用いられやすいグレーチングも鉄くずの一種であり、特別な問題がない限り再利用される傾向があります 。

金属くずの処分方法

金属くずの処理方法は、主に埋め立て処理とリサイクルの2つが挙げられます。埋め立て処理は、リサイクル処理に適していない金属くずに対して行われます。金属くずは、雨水等にさらされてもほとんど変化をしないことから安定型産業廃棄物に分類され、安定型最終処分場が用いられます。ただし、埋め立て処理を行う金属くずは全体の数%程度しかなく、金属くずの処理方法としては最後の手段と言っても過言ではありません。次にリサイクル処理についてですが、工程としては金属回収と金属精錬に分けられます。金属回収とは、廃棄物の中から鉄・金・銀・銅等の金属を収集する手法です。例えばパソコンのプリント基板に金や銀が含まれていたりします。金属精錬は、不純物を多く含む金属から不純物を取り除くことで、高純度の金属を抽出する手法です。アルミニウムや鉄は何度も繰り返し精錬が可能なため、リサイクルに最適な金属と言えるでしょう。

金属くずに関してのまとめ

処理費用は、量や性状に応じて変動します。金属くずはその性質上、リサイクルが最も行いやすい産業廃棄物のため、処分費用を抑えられるのが大きなメリットです。しかし、金属に別の素材がついて分別できない場合は、処理費用が高めになる場合もあります。金属くずはできるだけ純度を高くして、ほかの素材が混じらないようにしておき、売却をするのがよいでしょう。金属くずに関する知識を深めて、適切に分類・処理してリサイクル率を向上しましょう。