動植物性残さとは?処理方法や処理費用について詳しく解説致します

動植物性残さとは

産業廃棄物における動植物性残さとは、特定の業種の製造工程から排出された、動植物を原料として使用した固形状廃棄物です。動物性残さの例としては、動物や肉、魚の骨や内蔵、卵から、貝殻、羽毛等があります。植物性残さの具体例としては、野菜くず、大豆かす、酒かす、コーヒーかす、ビールかす、茶かす等があります。特に注意が必要なのは、特定の業種と記載されている部分です。この特定の業種とは、食料品製造業、医薬品製造業、香料製造業を指しており、例えばレストランのような飲食店等からも動植物性残さは排出されますが、これらは事業系一般廃棄物として扱われ、産業廃棄物ではありません。また、固形状廃棄物と記されているところもポイントです。例えば食料品製造業の製造工程から排出された固形状廃棄物は動植物性残さですが、液状や泥状で排出されたものは動植物性残さではなく、廃油や廃油、廃酸、廃アルカリ、汚泥等、別の産業廃棄物として扱われるため注意が必要です。

動植物性残さの処分方法

動植物性残さの処分方法ですが、約7割はリサイクルされています。産業廃棄物全体に占める割合は0.6%となっており、排出量が多い種類ではありません。以下に、動植物性残さの再生利用方法とその他の処理方法についてご紹介します。リサイクルの方法としまして、メタン発酵、飼料化、肥料化の3種類の方法でリサイクルします。メタン発酵とは、動植物性残さを微生物に分解させ、バイオガスを発生させるリサイクル方法です。バイオガスはメタンを主成分としていますが、このメタンは発熱量が高く発電設備の燃料として活用できます。飼料化とは、動植物性残さを加工することで、家畜等の餌となる飼料を作り出すリサイクル方法です。産業廃棄物を減らすことはもちろんですが、飼料自給率の向上も見込めるため、非常に有益性の高い再資源化方法といえるでしょう。ただし、異物の除去や残さの品質レベルの維持等、高い分別方法の普及や飼料製造のための体制を整えておく必要があります。肥料化とは、動植物性残さを微生物に分解・発酵させ、農地用の肥料に作り替える再資源化方法です。再資源化の方法としては比較的簡単で、特に近隣で農業を行っている等、肥料を必要とする場所が多くある場合に好まれる再資源化方法です。次に、その他の処理方法についてですが、焼却処分と埋め立て処分の2種類があります。
焼却処分とは、その名の通り動植物性残さを焼却する方法です。焼却処分を行う際は、委託先の焼却施設が動植物性残さの焼却に対応しているのかをしっかりと確認するようにしましょう。
埋め立て処分を行う場合、管理型最終処分場の利用が必須となります。管理型最終処分場とは、動植物性残さをはじめ、廃油(タールピッチ類)や紙くず、ばいじんや汚泥等を処分するための施設であり、特徴としては埋め立てた廃棄物の中を通った雨水等が周辺の土壌や地下水に影響を与えないよう対策が整えられている必要があります。
他にも安定型と遮断型という2種類の最終処分がありますが、処分場によって扱える廃棄物は異るため注意が必要です。

動植物性残さに関してのまとめ

処理費用は、おおよそ15円/kg~が相場となりますが、量等によって費用は変動します。委託する処理業者には、廃棄物の情報をより詳しく伝えることが大切です。
動植物性残さは業種によっては一般廃棄物と産業廃棄物に分かれることがあるため注意する必要があります。リサイクルも、廃棄物としての処理も注意を確認しながら処理の方法を決めることが大事です。動物性または植物性の固形状態の不要物=動植物性残さ というわけでないことを覚えておきましょう。また、動植物性残さはリサイクル率が高いため、廃棄物の減量やコスト削減に繋がります。現在動植物性残さを処理している又はこれからされる企業の方は、ぜひこれを機に再資源化を検討してみてはいかがでしょうか?