鉱さい(スラグ)とは?処理方法や処理費用について詳しく解説致します

鉱さい(スラグ)とは

鉱さい(スラグ)とは、鉄やニッケル、クロムといった鉱物を精錬する際等に生じる、目的成分以外の溶融物資です。例えば、ごみ等を焼却施設で処分したときに発生する廃棄物加熱溶融起源のものや、鋳造製品の鋳型として使われた「鋳物砂」等も鉱さいの一種に含まれます。産業廃棄物の中では比較的再利用率が高く、また活用の幅も広い鉱さいですが、鉱さいならではの課題もあります。

鉱さい(スラグ)の種類

鉱さいは大きく分けて鉄鋼スラグと非鉄金属スラグの2種類の分類があります。さらに鉄鋼スラグは、銑鉄を製造する際に出る高炉スラグと、鋼を製造する際に出る製鋼スラグに分けられます。さらに鉄鋼スラグは、鉄鉱石から鉄を還元する高炉スラグと鋼を製造する製鋼スラグに分類されます。一方で非鉄金属スラグには、フェロニッケルスラグと銅スラグ等が代表的な鉱さいです。また金属製造の工程で排出される鉱さいは、炉の種類や金属の違いによって製造鉄鋼スラグと非鉄金属スラグに分かれます。製造鉄鋼スラグには転炉系や電気炉系のスラグが含まれます。

鉱さい(スラグ)の処分方法

鉱さいの処分方法として、有害物質を含まない鉱さいは管理型最終処分場での処分、有害物質が含まれる鉱さいは、遮断型最終処分場で処分されます。一方で鉱さいは再生利用が進んでいる廃棄物でもあるため、様々な方法でリサイクルされています。その方法は主に4種類あり、セメント原料、路盤材、磯焼け対策、肥料にする方法があります。まずはセメント原料にする方法ですが、電気炉等から排出されたスラグ、使用済みの鋳物砂はセメントの粘土原料としてリサイクルされます。このリサイクル方法は、セメント原料化については有害物質溶出の恐れが無いとされているため、土壌環境への有害物質の溶出リスクを低く抑えられるというメリットがあります。リサイクル処理をするにあたっては最も有効な方法といえるでしょう。次に路盤材についてですが、そもそも路盤材とは道路を敷設する際にアスファルトの下に敷き詰められる砕石や砂利です。鉱さいはその性質から路盤材に適しているため、スラグや鋳物砂を再資源化した再生砕石が広く利用されています。一応の注意点としては、路盤材として鉱さいをリサイクルする際は路盤材に適した成分かどうか判断をする必要があります。次は磯焼け対策です。そもそも磯焼けとは、海岸に生息する海藻類が死滅し、生態系のバランスが崩れてしまう現象です。海藻類が失われることにより、周辺に生息していた生物も減少してしまうため漁業にも深刻な影響を及ぼしています。その磯焼けの原因として海水中の鉄分不足が挙げられます。そこで鉱さいに含まれる鉄鋼スラグの海中投入によって鉄分補給が期待できるとして、海中に投入し海水に鉄分を補給するという試みが始まりました。環境問題の解決を目指す、近年では注目されている取り組みです。最後に肥料にする方法です。鉱さいの種類によっては、鉄・マグネシウム・ケイ素といった肥料に適した成分が含んでいるため、鉱さいけい酸質肥料(ケイカル肥料)として稲作用に使われています。リサイクルされた肥料はアルカリ成分を含むため、土壌の中和剤として用いられたり、鉄分が欠乏した土壌に鉄分を補給するための土壌改良剤として用いられたりしています。

鉱さい(スラグ)に関してのまとめ

鉱さいは、路盤材やセメント原料等にリサイクルされる、再生利用率の高い産業廃棄物となっています。しかしその性質上、有害物質を多く含んでいるため適切な処理が必要となります。鉱さいの処理を行う際は、管理型最終処分場等での処分かリサイクルを選択し、適切に処理するようにしましょう。処理費用は、おおよそ35円/Kg~が相場となりますが、排出する鉱さいの状態等によっても変動しますのでご注意下さい。